直方市公共施設のあり方に関する基本方針(案)の検討結果について
平成23年10月18日
直方市長 向 野 敏 昭 様
直方市公共施設のあり方検討委員会
会長 益 田 信 也
直方市公共施設のあり方に関する基本方針(案)の検討結果について(報告)
直方市公共施設のあり方に関する基本方針(案)について、検討委員会で協議を重ねた結果、次のとおり報告いたします。
記
我が国における多くの公共施設は、高度経済成長時代の人口急増期に大量に建設され今日に至っていますが、今後、一斉に老朽化による更新の時期を迎えることになります。一方、多くの地方自治体においては、財政事情の悪化等により、施設整備費や維持管理費等を十分に確保することが困難な状況にあります。そのため、公共施設を資産として捉え、ライフサイクルコスト(施設建設から、運営費や修繕費を含む維持管理費、耐用年数経過により解体処分をするまでを建物の生涯と捉え、その全期間に要する費用)の低減を図るために、計画段階から全費用の総合的な検討や現況資産の状況把握を行い、今後の公共施設に対する対応を検討する動きが現れています。
このような中、人口減少社会の到来により、社会全体が縮小化傾向にあることを踏まえ、公共施設の今後の整備方針を定めることは、大きな意義があると考えます。今回提示された直方市公共施設のあり方に関する基本方針(案)においては、総合計画や都市計画マスタープラン、中心市街地活性化基本計画等との整合性を図りながら、最良な市民サービスを持続的に提供するために、適切な修繕等により施設の長寿命化を図るとともに、市民ニーズ等により更新が必要となる施設の整備を実施するという考え方が示され、概ね妥当なものであると判断しています。
なお、協議の過程における主要な意見、要望については、別紙に付記しますので、今後は、これらの意見や要望を尊重され、施設整備を実施されることを要望します。
(1) 基本方針(案)については、基本方針を定める目的の記載が欠けていることから、次の目的を記載されるよう要望する。
「直方市の公共施設は、高度経済成長期等における拡大する行政需要に対応して整備を進めてきましたが、建設後20年を経過する施設が半数以上を占め、施設の老朽化、機能低下等が顕在化しています。また、年齢、性別、障がいの有無などに関係なく、すべての人が利用しやすいユニバーサルデザインの考え方に基づく施設の整備が必要です。
そのため、エレベーターなどのバリアフリー対応や、安全基準、耐震基準等の法改正への対応による安全と安心性の向上、ICT(情報通信技術)の活用等による利便性の向上など、社会経済環境や市民ニーズの変化に応じ公共施設の機能水準の高度化が求められています。
一方、本市の財政状況については、平成22年度は交付税等の配分が大きかったことから黒字決算となりましたが、東日本大震災等の影響から、今後の交付税等の状況は不透明です。行財政改革の取り組みにより、財政面において大きな効果が生じていますが、近年の経済状況の悪化や今後の生産年齢人口(15歳から64歳)の減少による税収の減少が想定される中、高齢者や障がい者、子どもたちに必要な社会保障費等の支出の増加が見込まれ、公共施設の保全や改修に予算を潤沢に振り向けることは難しくなるものと考えています。
このような状況下、公共施設として市民ニーズに応じたサービスの提供を継続していくため、計画的な施設整備と維持管理の実施が必要となっています。このようなことから、当該基本方針は、将来的な本市の公共施設の整備等を含めたあり方の基本的な考え方と方向性について定めるものです。」
(2) 市民に当該基本方針を公表する際には、各施設の概要、利用状況、課題等を明記した資料を添付されるよう要望する。
(3) 文章の表現について、誰もが理解できる、わかりやすい表現に改められることを要望する。
視点については、市民へのわかりやすさを考慮し、下記の内容による再整理を検討されるよう要望する。
視点1 施設の高度化、多機能化、複合化、世代間交流の推進
- 施設の新設および更新の際は、既存の他施設との統合等により、機能の多機能化および複合化を推進するとともに、世代間の交流の促進に配慮し、子どもから高齢者までが利用可能な施設整備を、バリアフリーの考え方に基づいて推進します。
- すべての人が利用しやすいユニバーサルデザインの考え方に基づいて施設整備を図り、エレベーターなどのバリアフリー対応や、安全基準、耐震基準等の法改正への対応による安全と安心性の向上、ICT(情報通信技術)の活用等による利便性の向上等、社会経済環境や市民ニーズの変化に応じ、公共施設に求められている機能水準の高度化を推進します。
視点2 効率的かつ効果的な施設の管理および運営の推進
- 施設の管理および運営については、施設の設置目的に対応する最も効果的、効率的な形態における管理および運営を推進します。
- 利用者の視点に立った施設利用を促進するために、現在の利用状況の分析等を行ったうえで、さらなる利用率の向上を図り、既存施設の最大限の有効活用を推進します。
視点3 将来を見据えた施設配置の推進
- 高齢化社会の進行等を見据え、施設利用者の交通手段の変化などに配慮した最適な施設配置を推進します。
- 公共施設は、災害時の防災拠点や避難所としての重要な機能を持つことから、施設の安全性や防災対策を計画的に進めるとともに、災害時を想定した施設配置を推進します。
- 施設の新設および更新の際は、施設の提供するサービス、利用者の視点等を踏まえ、直方市総合計画、都市計画マスタープラン、中心市街地活性化基本計画等を最大限尊重する施設配置を推進します。
視点4 既存ストックの有効活用の推進
- 公共施設の跡地や未利用地等市が保有する既存の土地や建物の有効活用を図ります。
- 地域に必要な施設については、現在検討が行われている小中学校の適正な学校規模や配置について定める中長期における推進計画を視野に入れながら、学校施設の活用も検討します。
視点5 中長期を見据えた計画的な施設整備の推進
- 施設の長寿命化を図るため、計画的に、適切かつ効果的な修繕を実施します。
- 多額な費用を必要とする大規模な施設改修や施設の更新については、施設の機能や整備手法等の検討を早い段階から実施し、計画的な施設整備に取り組みます。
- 施設の新設および更新の際は、設置後の維持管理費から解体までの試算を行ったうえで、最も効果的、効率的な施設整備を実施します。
- 本市の将来人口の推計、社会経済環境、市民ニーズ等から施設の将来需要を予測し、最適な規模の施設整備を推進します。
- 個別の施設整備計画を策定する際には、公共施設全体や他の施設整備計画との整合性や連携が必要になることから、総合的な視点に立ち整備計画の検討を進めます。
- 上記項目を実現するために、中長期の公共施設整備計画等の策定について検討します。
視点6 戦略的な施設の統合と廃止
- 社会経済環境、市民ニーズ等の変化により、提供している役割の変化が求められている施設や維持管理費用が高コストになっているなど、事業の費用対効果が低下している施設については、戦略的に統合又は廃止をします。
- 施設を統合又は廃止する場合は、利用者ニーズ等を把握し、必要に応じて代替案を検討します。
視点7 多様な整備主体との連携
- 広域利用や共同利用による利点が大きい施設については、周辺自治体との広域利用や国・県の施設との共同利用などを視野に入れた施設配置及び整備を検討します。
- 民間活力を活用した施設整備や管理運営を検討します。
視点8 庁内における体制づくりの推進
- 計画的な公共施設の整備と維持管理の実施のために、一元的な管理体制の構築など最適な庁内体制について検討します。
- 将来的に行政需要が見込まれない市有地等の財産売却で得られる収入等を施設整備基金として積み立てることなどにより、施設整備のための財源確保に努めます。
- 公共施設の新設や更新の際は、利用者の声など広く市民の意見を把握する中で整備計画を推進します。
基本方針(案)に明記された施設ごとの今後の方向性については、概ね妥当なものであると判断していますが、下記の項目については、委員会の意見及び要望といたします。
(1) 中央公民館・働く婦人の家・男女共同参画支援室については、基本方針(案)に明記されているとおり、統合についての検討を要望する。なお、施設を更新する際には、施設利用率の向上等の観点から人権研修センターや労働会館等の老朽化した施設の統合の検討を求める意見があったことを付記する。
(2) 健康福祉課別館(保健福祉センター(仮称)の機能を持つ施設)については、基本方針に明記されている社会福祉協議会、直方市・鞍手障がい者生活支援センター、地域子育て支援センター、ボランティアセンターを併設した形式による多機能化・複合化についての検討を要望する。なお、今後の社会環境を考えた場合には、子どもから高齢者までの世代間交流が大変重要になることから、「中央公民館・働く婦人の家・男女共同参画支援室」の生涯学習関連施設等と保健福祉センター(仮称)との統合についても検討されることを要望する。
(3) 体育館については、施設の更新の際には、市民ニーズ等を考慮し将来を見据えた機能と規模について十分な検討を行うことを要望する。併せて、現在、体育館と離れて設置している武道場機能の併設についての検討も要望する。なお、更新する場所については、機能面と規模の検討による必要な用地面積、駐車スペースの確保、災害時の避難所機能等を考慮した中で、慎重に選定されることを要望する。
(4) 直方市民球場及び中泉市民球場については、現在、学童野球の利用等も多いことから、野球場を統合する際には、利用者のニーズを十分に把握したうえで、統合される野球場の代替となる方策を考慮した中での統合を要望する。
(5) 市民プールについては、現行の施設が老朽化し、改修が困難であることから施設の新設について検討すると明記されているが、施設の新設は、建設コスト及び維持管理費等の費用面、利用期間、さらには、近隣自治体にレジャープールがあること等から、市民プールの廃止を要望する。なお、現行の市民プールについては、跡地の利活用についての早急な検討を要望する。
(6) 直方市の財政状況を勘案した場合、全ての施設を市単独で整備することは困難であることから、体育・スポーツ施設や文化関連施設等については、近隣自治体が持つ施設の広域利用の促進が必要と考える。現在、市が保有していない市民プールや廃止を検討する施設については、市民サービスの向上という観点から、他の自治体の施設を利用する際の利用料金の補助等についての検討を要望する。
(7) 公園関連施設における都市公園等については、次年度以降、都市公園等の長寿命化計画を策定される予定であることから、当該計画において、都市公園等の整備方針及び公園の整理統合について、慎重に検討を行うよう要望する。なお、公園の利用状況等を把握し、利用状況等が低下している公園の整理統合を進め、用地の売却等による収入を、他の公園整備費用に活用できないかという意見があったことを付記する。
(8) 旧市民会館については、当該施設の活用予定がないことから、都市景観や安全面等を考慮し、早急な解体の実施を要望する。
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直方市役所 政策推進課 政策秘書係
電話:0949-25-2212
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